Specteeは、防災・危機管理ソリューションだけでなく、サプライチェーンリスク管理までポートフォリオを拡大し、事業成長を目指している。間接販売の比率が高い同社は、パートナーサクセスの観点から売りやすさを重視し、さらなる拡販を狙う。(大向琴音)
継続収益型ビジネスへの移行で引き合い
製品ポートフォリオとして、防災・危機管理ソリューション「Spectee Pro」のほか、2023年から提供を開始したサプライチェーンリスクマネジメントに対応するクラウドサービス「Spectee Supply Chain Resilience(Spectee SCR)」、25年からは製造業のサプライチェーンリスクを可視化する「スマートリスク管理」を展開している。顧客のリスク管理を支援するソリューションとして紹介しやすいメリットがある。
同社の販売パートナーは、エンドユーザーと直接契約し、営業活動や導入支援、一次サポートなど、ほとんどの顧客対応を担う。さらに、紹介型のパートナーもおり、最終契約は同社が直接結ぶ形式で、見込み顧客を紹介すると紹介料が支払われる。金融機関や商社など、紹介を中心とした活動を得意とする企業が多い。
新規パートナーとしては、SIerや業務システムを扱う企業が増えている。増加している背景として、これまでSaaSの販売経験が少なかった企業がSaaSの販売に参入し始めている点が考えられるとする。売り切り型のモデルから継続収益型のビジネスへの移行の中で、新たなSaaS商材を扱うことが企業の新たなビジネスにつながっているとみる。
IT企業以外では、旅行会社がパートナーになるケースもある。例えば法人向けの出張手配に強みを持つ企業では、元々の飛行機やホテルの手配だけでなく、豊富に抱える既存の法人顧客へ向けた新たな商材として提案する動きが出ている。
村上建治郎CEO
7割以上がパートナー経由
売り上げの7割以上がパートナー経由となっている。間接販売の比率が高いからこそ重視するのは、販売してもらいやすくするためのパートナーサクセスだ。村上建治郎CEOは、「積極的に売ってもらうために重要なことは、いかに売りやすくするか。マージンだと考える人がいると思うが、実はマージンは現場の営業担当者にとってはあまり関係がない」と分析する。
パートナーが初めて製品を取り扱う際、製品理解を深めてもらうための勉強会を実施している。どのような製品で、どのように説明すると伝わりやすいのかといった基本的なポイントを、パートナーの営業担当者に対して共有する。製品に新しい機能が追加された際には、機能の内容や、顧客にとってのメリット、どのような課題が解決できるのかなどをテーマにした勉強会を開催する。加えて、製品知識にとどまらず業界のトレンドを含めた情報提供も行い、営業活動がよりスムーズに進むようサポートしている。これらの内容は、同社内で実施する自社営業担当向けの研修とほぼ同等の内容となっているという。
Spectee SCRやスマートリスク管理といった新しい製品に関しては、どんな提案をすれば売れるのかについての理解度が高まりきっていないこともあるため、場合によっては同社がパートナーと伴走して販売するといった手厚いサポートも行っている。
地方パートナーとの連携も重視
地方のパートナーとの連携も重視している。自治体向けの販売では、すでにその地域の自治体に製品を提供してきた企業と組むことで効率的に展開できるとする。地方では、トラブル時にすぐ駆けつけられることも重要視されるため、近くでサポートできるパートナーの存在は、顧客に安心感を与えられるという。
今後のパートナービジネス推進の方針としては、既存パートナーとの関係強化に努める。村上CEOは、「特にわれわれのようなスタートアップ企業は営業リソースがかなり限られている。一方で、当社のパートナーは比較的大企業が多く、その先に多くの営業リソースを抱えている。サービスの拡販を考える上では、パートナーとの連携が非常に重要だ」と力を込める。