日本AMDは7月1日、AI向けGPU「AMD Instinct」とソフトウェア基盤「ROCm」に関するメディア向けラウンドテーブルを開いた。生成AIの普及に伴い、AIインフラの競争軸がGPU単体の性能からソフトウェアやシステム全体へ広がる中、米NVIDIA(エヌビディア)など競合環境からの移行しやすさや、オープンなAI開発環境への取り組みをアピールした。
大原久樹 マネージャー
コマーシャル営業本部の大原久樹・セールスエンジニアリング担当マネージャーは、AMDのAI戦略について「より良い性能、より良いTCO(総所有コスト)を実現しなければならない」と説明した。一方で「TCOが良いだけでは不十分」と述べ、エヌビディアのCUDAからAMDのROCmへの移行しやすい環境を整えることを重視していると語った。強みとしてオープン性を挙げ、PyTorchやvLLMなど主要なAIソフトウェアとの連携を進めていると説明した。
最新のAMD Instinct MI350シリーズの特徴として、演算用のXCD、I/O用のIOD、広帯域メモリーHBM3Eを統合した3Dマルチチップレット構造を採用したことや、最大288ギガバイトのHBM3Eメモリーを搭載したことを挙げた。AI向け演算では4ビットや6ビットのデータ形式にも対応し、前世代のMI300Xと比較して、大規模言語モデルの推論、学習性能ともに約3倍に向上したという。
また、2026年中には次世代GPU「MI400シリーズ」を投入する。HBM4を採用し、432ギガバイトのメモリー容量と19.6テラバイト/秒のメモリー帯域を実現する計画だ。GPUやCPU、ネットワークを統合したAIデータセンター向けのラックスケールインフラ「AMD Helios」も投入する予定で、AIインフラ領域での提案力を高める。
(山本浩資)