防衛省・陸上自衛隊向けのDX支援に取り組むジーグラビティが、中央省庁への展開を視野に入れている。山縣智宏CEOは週刊BCNの取材に対し、「IT化でシステムは増えたが、本質的にあまり変わっていないと思う」と語り、長年公共分野に携わってきた立場からスピード感を重視した業務改革の必要性を訴えた。
山縣智宏 CEO
エンジニアでもある山縣CEOは、外資系企業で公共分野に関わってきた。米Symantec(シマンテック)時代には、防衛省や中央官庁、自治体などでセキュリティー分野を担当。米Apple(アップル)では、「iPad」などを活用した働き方改革や自治体のヘルスケア事業にも取り組んだ。
官公庁に常駐していた当時は、文書中心の業務や煩雑な手続きが多く、IT化以前の課題も少なくなかったという。現在はPCやスマートフォンが普及し、AI活用も始まりつつあるが、組織や業務のあり方は、必ずしも同じスピードでは変わっていないという認識だ。
チェンジホールディングスのグループ会社であるジーグラビティは現在、陸上自衛隊向けのDX支援を進めている。文書作成や定型業務などの負担を軽減し、自衛隊員が安全保障や災害対応といった本来の業務に専念できる環境を整備するのが目的だ。
一方、防衛分野は機密情報を扱うため、一般企業のようにクラウド型生成AIをそのまま利用することは難しい。閉域環境でAIを運用しながら、利便性と精度を両立させることが課題となっている。
山縣CEOは「大きなチャレンジだが、成果を出したい」と語る。防衛分野で培った知見を、ほかの自衛隊組織や中央省庁にも展開する考えだ。
(山本浩資)