日本IBMは8月25日、2026年のAI戦略の一つである「経営基盤のためのAI」の概要と、その実践を支えるAIプラットフォーム「IBM Enterprise Advantage」の展開について記者会見を開いた。
川上結子 常務
経営基盤のためのAIは、人とAIエージェントが協調して働く時代において同社が重視する運営モデルだ。同社の調査によると、AI導入が本格的な経営成果につながっている企業は15%にとどまっており、多くの企業はAIの価値は限定的であると感じているという。常務執行役員の川上結子・成長戦略統括事業部長は、この「AI格差」の理由として、▽業務プロセスの再設計▽自社固有の知識の付与▽人とAIの協働体制の構築▽ガバナンスとROI管理─の四つを挙げた。
こうした課題の解決を目指すのが、このほど本格展開を開始したAIプラットフォーム「IBM Enterprise Advantage」だ。同社が4000以上のAIと協働してきた変革のノウハウを組み込んでいる。業務のマクロ分析をしたうえで、企業内の知識の整理・管理や、AIエージェントの運用・管理、人とAIエージェントが協働するための環境整備などを行う。年内には、AI活用を前提とした業務の再設計支援や設計書を基にしたエージェント型AIアプリケーションの構築、AI運用のコストやROIなどを可視化する機能の提供も予定している。
展開戦略の柱となるのが、戦略、業務、技術の専門家で構成するチーム「FDU(Forward Deployed Unit)」で、専門AIエージェントと連携しながら企業の変革を支援する。年内に10件のIBM Enterprise Advantage導入支援の開始を目指しており、まずは自社主導で実績を積み上げる。その後はパートナーとの連携も視野に入れながら、普及を加速させる方針だ。
(南雲亮平)