ピー・シー・エー(PCA)は8月7日、都内で年次イベント「PCAフェス2026」を開催した。イベントの冒頭、あいさつに登壇した社長執行役員の玉井史郎CEOは、「2026年のAI市場は約2兆円規模だが、30年には5兆円へ成長すると見られており、大きな過渡期を迎えつつある」と述べた。その上で、パートナー各社と「AI戦略を共創し、ともにビジネスを成長させていくことをミッションに掲げる」と語り、さらなる製品強化と連携体制の拡充を目指す姿勢を示した。
玉井史郎 CEO
パートナー戦略については、29年3月の買い取り型パッケージのサポート終了に向けて、約4万社の既存顧客に対するクラウド移行を最優先課題に据える。これに対し、執行役員の金子隆太郎・事業本部長CMOは、「PCA Arch」を中核として施策を推進していく方針を打ち出した。AIアシスタントやストレージを標準搭載しながら月額9000円から利用できる戦略的な価格設定により、新規顧客の獲得と既存顧客の移行を促進する考えだ。
進捗状況について金子CMOは、5月に開始したPCA事業本部の約300人規模のチームによるDMや電話を活用したアプローチが成果を上げていると紹介。PCA Archの体験利用は前年同期比で約5倍に増加したという。キャッシュバックなどの特典を設けた移行支援施策も後押ししている。さらなる移行推進に向け、「kintone」などの外部サービスとの連携プラグインを拡充し、周辺システムを含めた幅広いDX提案をパートナーとともに加速させる構えだ。
製品展開の柱は、「業務タスク管理」の強化と「AIエージェント」の導入だ。7月にリリースした業務タスク管理は、帳票やドキュメントを保存・管理するクラウドストレージサービス「PCA Hub eDOC」と連携する機能。複雑な業務フローを可視化しながら手順書とひも付けることで、業務の引き継ぎや新人教育を容易にし、属人化の解消を図る。27年初頭には、AIがタスクを自動生成する機能の本格リリースを予定している。
AIエージェントは、汎用AIにはない企業固有の実データと、PCAが40年以上にわたり培ってきた業務ロジックを組み合わせることで、信頼性の高い分析や予測を実現する。26年9月以降には予算実績分析などを担う第1弾、27年1月以降には元帳や給与データを活用する第2弾を順次提供する計画だ。将来的には、AIが自律的に業務処理を進め、人間は重要な意思決定や承認のみを担う業務自動化プラットフォームの実現を目指す。
イベントでは、パートナー各社のブースが並ぶ展示会場をはじめ、AIや新リース会計、PCA Archに関するセッションなど、さまざまなプログラムを通じて、中堅・中小企業のDX・AX支援をさらに加速させる方針を示した。
(南雲亮平)