ラクスは9月24日、あいち銀行と連携し、東海エリア企業のDX支援を実施する法人決済プラットフォームサービス「Arch Bridge」の提供を10月から開始すると発表した。経理業務において人手不足や属人化が課題となる中、サービス連携を通じて業務効率化を推進する。
Arch Bridgeは、TISIが提供する請求書関連業務と決済を統合管理するプラットフォーム「DX Connect Gate」を基盤としたサービス。今回、経費精算システム「楽楽精算」と、クラウド型請求書受領システム「楽楽請求」がArch BridgeとAPI連携した。
楽楽精算や楽楽請求で処理された請求書や明細書のデータが連携することで、請求書の受領から銀行振込・資金管理までの業務を一貫して処理できるようになる。これまでも、あいち銀行が持つ顧客基盤に対してラクスのサービスを販売する取り組みは行ってきたが、サービスの連携まで踏み込んだ格好だ。
背景には、中小企業の経理業務における人手不足や業務の属人化がある。紙などで受領した請求書の内容を手入力し、確認作業を経て振り込みする作業は、入力ミスや差し戻しが発生する要因となっていた。今回の連携では、楽楽精算や楽楽請求を通じて、紙やメールなどで受け取った請求書を読み取り、データ化。データの承認・登録を経て、DX Connect Gate経由であいち銀行の法人向けインターネットバンキングと連携することで、転記作業や確認業務の負担軽減を図る。
上級執行役員で楽楽クラウドバックオフィス事業統括本部の吉岡耕児・統括本部長は「単なる請求書受領業務の効率化ではなく、支払いまでを一気通貫でつなげられる点が大きな価値だ」と述べる。中小企業では、長年同じ担当者が経理業務を担うことで業務内容がブラックボックス化し、担当者の退職や異動によって業務継続に支障が出るケースも少なくないという。請求書の受領から支払いまでの流れを可視化、標準化することで、課題の解消につなげる考えだ。
吉岡耕児・上級執行役員
Arch Bridgeはあいち銀行から提供するが、楽楽精算と楽楽請求については、あいちフィナンシャルグループのグループ会社である栄町リサーチ&コンサルティングを通じた契約となる。
あいち銀行への支援体制として、行員向けの勉強会を実施する。吉岡上級執行役員は「どんな困りごとを解消できるサービスなのか、Arch Bridgeと当社のサービスの連携の必要性などをご理解いただく」と説明する。また、ラクスはあいち銀行に社員を出向させており、必要に応じて社員が行員の営業活動に同行するといったサポートも行う。
Arch Bridgeにおいて、東海エリアを中心とした中堅・中小企業を対象に、年間100件の受注を目指す。今回の取り組みは、TISIのDX Connect Gateを活用した地銀向けサービスとの連携の一環であり、今後、TISIによる金融機関向けの展開が広がった場合には、同様の取り組みを進めていきたいとの姿勢を示した。(大向琴音)