日立製作所のグループ会社であるハピネスプラネットは10月8日、企業間競争と需要連鎖の相互作用を捉える「競争世界モデル」を提供開始した。約1万の需要をモデル化し、需要間の連鎖と各企業の資源、商品・サービス、戦略を関連付けることで、企業の戦略構築などを支援する。ハピネスプラネットが提供する経営層向けAIサービス「Happiness Planet FIRA(FIRA)」に同モデルを組み込み展開する。
同モデルでは、今後の成長が見込まれるAIエージェント、フィジカルAI、半導体、電力・送配電・蓄電、サイバーセキュリティー、宇宙・衛星などを領域として、顧客ニーズや用途、課題、適用分野など多種多様な需要をモデル化する。「どの需要をどの企業が捉えているのか」「どこで企業同士が競争しているのか」などを把握できるようにすることで、将来的な戦略構築の検討につなげる。
日立製作所のフェローも務めるハピネスプラネットの矢野和男CEOは同モデルについて、「大量のデータでできているため、人間が読み解くというよりも、AIのためのブレーンとなる」と説明した。同モデルをFIRAに組み込むことで、膨大なデータを参照し、AIが企業戦略の診断や提案を行う。指示を入力することで利用企業用にカスタマイズしたモデルの作成も可能だとした。
ハピネスプラネット
矢野和男CEO
経営課題や質問をFIRAに入力すると、入力後10分から1時間程度かけて回答が生成される。一つの回答だけではなく、それぞれ特徴を持った複数の戦略を提示する。生成AIの回答は、バイアスを避けた一般論になりがちという課題があるが、FIRAでは量子論の数理によって、新しい意味や可能性を生み出すことが可能だという。矢野CEOは「過去に答えがない問題に対しても筋道を見つける創造性を持つ」と述べた。
ハピネスプラネットのAI開発力と日立製作所の顧客基盤や実装力を連携させて同モデルおよびFIRAを展開することで、戦略の創生から実行まで一貫して企業変革を支援する。(大向琴音)