イトーキと松尾研究所は10月2日、従業員の行動データをAIで分析し、生産性向上につながる要因の因果関係を探る「データ駆動型生産性推定モデル」を構築したと発表した。働き方とコンディションの関係性を明らかにし、分析結果をオフィスづくりに活用することで、生産性向上を図る。
同モデルの構築にあたり、2025年12月1~31日を期間として、イトーキ本社で働く854人を対象に、オフィス内での移動回数、会議の時間や数、メール・チャットの頻度など70種類の行動データを取得した。分析には、時系列の因果探索手法「VAR-LiNGAM」を採用。松尾研究所の大西直・シニアデータサイエンティストは「当日の行動が翌日のコンディションにどのような影響を与えるのかまで分析できるのが特徴になる」と説明した。
松尾研究所の大西直・シニアデータサイエンティスト
「設計・開発・企画」「営業・サービス」「管理」の三つの職種に分けて分析結果を示した。会議の数が多かった日は、全職種で翌日の心のコンディションが低下したことが確認された。会議などで分断されず60分以上の作業時間を確保できた日の翌日は、全職種のうち88%の従業員でコンディションが上がったとした。
営業・サービスにおいては、メールやチャットの送受信量が影響することが分かった。受信が多かった翌日はコンディションが低下し、送信が多かった翌日はコンディションが向上したという。
一部の顧客とは同モデルを活用したオフィス運用の検証を開始している。
イトーキの酒井美帆・チームリーダー
イトーキのソリューション事業開発本部ソリューション開発統括部プロダクト開発部AI開発チームの酒井美帆・チームリーダーは、同モデルについて「生産性向上に向けた具体的なアクションにつながることと、生産性をモニタリングできるようになるという二つの意義があると考えている。今後もデータに基づいた研究を続けて、お客様に合った働く環境を提案していく」と抱負を語った。