米Oracle(オラクル)は、AIエージェントが複雑な業務を自律的に実行するための基盤「Oracle Fusion Claw」の提供を開始した。「Oracle Fusion Cloud Applications」上で動作するエージェント型アプリケーションの実行基盤として機能し、企業が定めた権限やルールの範囲内で、分析や計画、実行までを担う。Fusion Clawを搭載した25種類のエージェント型アプリケーションも用意する。
カウシャル・クラパティ・バイスプレジデント
特徴は、多数の条件が絡む複雑な業務を処理できる点だ。9月29日に日本の報道向けに開いたオンライン説明会で、カウシャル・クラパティ・Fusion AI製品管理担当グループ・バイスプレジデントは、病院の人員配置を例にデモを披露した。人員充足率70%を95%まで引き上げる目標を設定し、病院間での人員配置の見直しや連続勤務日数の延長、残業の活用といった条件を与えたところ、Fusion Clawは充足率を99%まで引き上げ、コスト増を5%に抑える案を示した。
クラパティ・バイスプレジデントは、このような調整を人がExcelで行う場合、「大体半日ぐらい」かかると説明。その上で、Fusion Clawについて「複雑な問題を一度で解決できる」と強調した。
処理では生成AIに全てを任せない。LLMが目標を理解して計画を立て、大量の計算や実際の処理は決定論的な計算処理で実行する。AIによる推論と計算処理を組み合わせ、結果を評価しながら計画を見直す。
企業利用を想定し、セキュリティーやガバナンスも重視した。Fusion Clawは隔離された実行環境で動作し、エージェント型アプリケーションの範囲内でのみ処理する。実行後には、判断の根拠や実施した処理を監査可能なかたちで記録する。クラパティ・バイスプレジデントは、隔離環境の外で動作しないことについて「100%保証されている」と述べた。