未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>16.シーア・インサイト・セキュリティ

2005/02/21 20:43

週刊BCN 2005年02月21日vol.1077掲載

ログにフォーカス

 情報セキュリティ対策市場がひときわ盛り上がっているなか、特に注目を集めているのが「ログ(情報の記録)」。そのログに焦点を当て、ログ収集・管理ソフトシリーズ「シーアインサイト」を自社開発・販売しているのが、2000年設立のソフトベンチャー、シーア・インサイト・セキュリティ(向井徹CEO)だ。

 ログは、万一情報が流出した場合にその原因を追究するための重要な手がかりになる。また、ログを収集していることを社員に知らせることで、自然と情報の持ち出しや重要データへの不正なアクセスを防ぐことにつながる。多発する情報漏えい事件・事故や、個人情報保護法の完全施行を目前に控えている今、ログ関連製品は格好のセキュリティ商材なわけだ。

 向井CEOは、「創業当時は、ログをゴミ扱いする企業が多く、売る先なんて全くなかった。昨年に入ってようやく実需に結びつくようになってきた」と、ビジネス拡大に自信を示す。

 昨秋、約452万人の顧客情報を流出したソフトバンクBBがセキュリティ対策強化として同社の製品を採用したこともニーズの拡大に結びついた。

 同社では、ログの自動収集から、セキュア(安全)な環境化での管理、そして分析・レポート化まで、ログ管理に関するソフトを揃えてきた。創業当初は、技術者の数が不足し、向井CEOもセキュリティソフトの開発・販売事業は初めてだったことから、電気通信大学と共同開発していた。今も同大学との連携は続くものの、開発体制は、全社員数18人のうち16人を技術者が占めているほど充実させている。「当社は研究開発を主眼に置くベンチャー企業。開発体制の整備と技術者のスキルが最も重要」としており、向井CEOは営業よりも開発を重視している。

 一方、営業面では大手ITベンダーを中心に「ログに関する知識や経験を豊富に持っているだけでなく、マーケティングノウハウを持ち、コンサルティングサービスも提供できる」(向井CEO)パートナーで固めている。具体的にはネットマークス、NTT東日本、ソフトバンクBB、住商情報システムの4社。ネットマークスとは昨秋に資本面でも提携、出資を受けた。

 中長期的には、社内にセキュリティコンサルタントを確保しコンサルティングサービスの提供も視野に入れている。だが、今は各ソフトを連携させるための新ソフトを開発中で、当面はラインアップ強化とソフトライセンス販売の拡大に引き続き力を入れていく。(木村剛士)
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