国の雇用対策が、年度末に駆け込みで施行された。昨年の秋以降、「非正規雇用社員問題」が世間を騒がせ、企業の倒産に伴う失業者の増大などを考え合わせると、国の対策は常に後手に回っていると感じるのは私だけだろうか?

 ここでは、数多くの施策のなかで注目すべき内容のものを紹介する。


 まず、雇用保険が大きく変わった。雇用保険率が一般の会社で1.4%から1.1%に引き下げられることになった。これにより、今年度から7月20日期限(従来は5月20日期限)に変更された労働保険料の申告(年度更新)では、確定した保険料は改正前の料率で、概算で支払う保険料は新しい料率で計算をするという、実務担当者にとっては手間がかかってしまうことになった。また、労災保険も料率が変更になった。


 法改正はソフト開発業界にとってはビジネスチャンスにもなる。料率の変更は根本的な仕組みの改正ではないが、社会保険(健康保険・厚生年金保険)と労働保険(労災保険・雇用保険)の徴収事務の一元化の第一ステップが始まったばかりで、今後もこの分野は注目すべき改正が多く行われると予想される。


 雇用保険がらみでは、パート・アルバイトなどの短時間就労者の雇用保険の適用基準が見直され、「1年以上雇用される見込み」から、「6か月以上雇用される見込み」で適用されることになった。同様に派遣社員の適用基準も「1年以上派遣される見込み」から、「6か月以上派遣される見込み」と改正された。非正規雇用対策としてとられた措置である。


 雇用の確保という観点から、「中小企業緊急雇用安定助成金」は昨年末から3回も要件が緩和されている。この助成金は、下請け企業等で元請から仕事の発注が減った、あるいはなくなった場合に仕事がないため社員を休業させるケースで、休業手当(給与の60%相当額)の支払いが義務づけられているわけだが、この休業手当の80%を助成してくれるという制度である。この助成金も年度末にさらに改正が行われ、休業手当の90%を支給するとされた。


 リストラを行う前段階の休業に関して手厚い助成金を支給することにより、何とか雇用を守ってもらいたいという思惑で、改正が頻繁に行われている。


 企業経営にとって、助成金は返済不要のお金だから、このような助成金にも常にアンテナを張って経営する姿勢が大切である。