新規マーケットの創出
 |
TDCソフトウェアエンジニアリング 谷上俊二 社長 |
既存のマーケットは、2010年、厳しくなりこそすれ、大きく好転するとは考えにくい。当社はこれまで、顧客企業のビジネスを伸ばすITシステムを直接提案し、元請けで受注する努力を続けてきた。また、携帯電話や情報端末などのモバイルを活用した、他社にはない独自のシステムやサービスも開発している。受注環境が急速に悪化するなかでも、こうした領域は大きく落ちることがなかった。
キーワードに挙げた「新規マーケットの創出」は、自身の創意工夫と努力で新しい市場を創出し、成長を維持する方針を示したものだ。当社は保険やクレジットなどの金融分野に強く、モバイルではクラウド型CRMサービスのSalesforceなどとの連携で他社をリードしている。
今年度上期(2009年4~9月期)、大手SIerからの仕事は凸凹と不安定な部分もあったが、エンドユーザーからの直接受注部分の売上高は前年同期比で15.8%伸ばすことができた。逆風下で辛うじて受注にこぎ着けたきわどい案件もあるが、モバイルなどの独自商材の販売増もあり、会社全体では通期(10年3月期)で増収増益を見込む。当社の改革の方向性は間違っていなかったと手応えを感じている。
独自商材系の売り上げは、クラウド型サービスの拡大の追い風もあるため、向こう3年で倍増させる。当社オリジナルの強みを大いに伸ばすことで新規マーケットを創出。新たな成長に結びつける。