プロフィール

団体名:モノづくり応援隊in大田区
設 立:2005年8月
所在地:東京都大田区
活動内容:大田区を中心に中小企業のIT化をサポートしている。2008年1月にNPOとして再スタートを切った


NPO設立で中小企業を活性化

 各地域で中小企業を活性化させるためのITコーディネータ(ITC)の活動が、活発になっている。とくに、複数のITCが集結して共同で地元企業のIT化を図る動きが顕著になってきた。

 中小企業の集積として全国で知られる東京都大田区。ここでは、「モノづくり応援隊in大田区」というITCが集まって大田区企業の支援活動を進めるNPO(特定非営利活動法人)がある。

 「モノづくり応援隊in大田区」の設立は2005年8月。大田区産業プラザ(PIO)でITCの全国大会である「ITCカンファレンス2005」が2005年10月に開催されたのをきっかけに、15人の公募ITCが立ち上げた。当初は任意団体として活動していたが、08年にNPOとして再スタート。地域の振興に寄与すると評価されたことが設立のきっかけだ。

 設立当初からメンバーとして活躍する田中憲之氏は、「設立して間もない頃は本当に“手弁当”だった」と振り返る。大田区の現状を把握するため、まずは34社の企業を訪問。「IT導入の依頼を受けるまでに3~4回は訪問したケースがほとんど」。そのなかから、6社の企業を支援するようになった。

 訪問企業の多くは、「IT」という言葉を聞いて、自社には関係ないと捉える傾向が強かったという。「ITコーディネータ」と名乗った際に身構えたり、何かのセールスという疑いの目を向けられたケースもあった。しかし、ITCの熱心な支援を目の当たりにして、中小企業経営者たちは次第に心を開くようになった。

 実際、大田区ではITCによる支援によって、中小企業が飛躍的に成長したケースが出てきている。プレス加工業者の大森精工では、情報管理システムの見直しによる業務改善を実現した。生産管理システムでは、導入形態はASPというサービス型モデルで初期投資を抑えた。同社では、新規事業であるインテリア製品の販売に関してもITCのアドバイスを受けている。畑違いの事業だけに、市場開拓に向けたマーケティングが必須で、ビジネスモデルを確立することによって収益が高まると判断した。その結果、自社でネットショップのシステムを構築することで事業拡大を図っている。

 また、団体連携活動として島根県のしまね産業振興財団が主催のセミナーに参加したことで、大田区の支援企業と島根県の加工業者がアライアンスを組むといったケースも現れた。

 「モノづくり応援隊in大田区」は、NPOとして活動を始めてから今年で3年目を迎えている。設立から数えれば6年目に突入している。軌道に乗り始めている時期であるだけに、今年は新しい取り組みが出始める機運が高まっている。


・(下)に続く