大手SIerの日立情報システムズ(原巖社長)の介護・福祉事業者向け業務管理システム「福祉の森」シリーズは、直販と全国約60社の販売パートナーを経由して販売している。介護・福祉は、国の施策や自治体と密接に関連しており、民間企業の業務システムとは構造が大きく異なる。販売に当たっては、介護・福祉に関わる専門的なノウハウが求められることから、「福祉の森」シリーズにおいても、この分野に詳しいSIerや業種的に近いポジションにある販社が多く集まっている。

 代表的な販売パートナーとして挙げられるのは、SIer・情報サービス業のティー・エム・シー(神奈川県厚木市)、ワイエムジーソフト(横浜市)などで、そのほか保育用教材や教具、園児服の販売や園舎、遊園地設計・施工などを手がけるチャイルド社(杉並区)が加わる。

 ティー・エム・シーやワイエムジーソフトは、介護・福祉分野に強いITベンダーの優位性を生かして販売に取り組んでおり、一方、チャイルド社は、保育用教材・教具などの福祉系の商材に精通している強みを生かして「福祉の森」シリーズを取り扱う。

 介護・福祉分野は、2011~12年にかけて、制度変更に伴う需要拡大が見込まれる。販売パートナーを拡充してシェア拡大につなげるチャンスではあるが、同業種の専門性ゆえに売り手が限られているのが実情。ライバルベンダーと“販社の奪い合い”になることも予想される。

 ポイントは、制度改正にいち早く対応する開発力だ。変更の度合いが大きくなればなるほど、より大きな開発パワーが必要となる。介護・福祉システムの開発ベンダーのなかでは、日立情報システムズの事業規模は比較的大きく、開発パワーの競争では有利。この強みを前面に出すことで販売パートナーを拡充。2013年度をめどに介護事業者向けのシェアで20%、障がい者施設向けで同50%の獲得を目指す。(安藤章司)