スクラップ＆ビルド

是枝周樹 社長

　単に売り上げを追うのではなく、保守サービス収入の利益率を引き上げることで、安定的な収益基盤の構築を目指してきた。利益ベースでは計画通りに進捗しており、2011年も継続して取り組む。また、失敗・成功体験を生かしながら持続的な成長を目指すという意味で、「スクラップ＆ビルド」を推し進めていくつもりだ。経済・IT環境の急激な変化にも柔軟に対応できるようにしたい。

　新たな取り組みとして、製品の統廃合に着手する。そのためにエンタープライズアーキテクチャの導入で開発体制を刷新し、全製品の見直しを図っていく。新製品開発にはより多くの開発要員を振り分け、開発面での競争力を強化する体制づくりを目指す考えだ。

　人材の育成と強化も進める。競合との戦いが厳しさを増すなか、ベンダー側には高い提案能力が求められているが、これまで人材教育が十分ではなかったと感じている。まずは営業担当者のマネジメント力を強化し、ユーザーの評価を高めていく。

　このほか新規ユーザーの開拓に向けた取り組みとしては、先行き不透明な経済状況のなかで将来的な展望を見出す手助けとなるようなセミナーや研修会を開催していきたいと考えている。ユーザーは、日本だけでなくグローバル経済のなかで、生き残り戦略を明確に位置づける必要に迫られている。しかし、日本の企業はIT投資が不十分で、自らの競争力を弱めていることを認識してもらいたい。