IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>25.サマデイ(早稲田塾)(下) 事業革新のスピードに合わせる

2011/04/21 20:29

週刊BCN 2011年04月18日vol.1379掲載

 「事業革新のスピードが非常に速い」。現役高校生向けの大学受験予備校である早稲田塾を運営するサマデイ(相川秀希社長)に対して、山田一彦・ITコーディネータ(ITC)が抱いた第一印象だ。

 2005年に、ニッセイコムが構築を手がけた新基幹システムが稼働を開始し、07年度には公式ウェブサイトを刷新。10年度、塾生向けのコミュニケーションシステム「マイページ」が稼働を開始した。

 この間、09年4月にe-ラーニングシステム「現合ビジョンシステム」を導入した。作成できる講義コンテンツはファイルサイズが小さく、単位時間当りのデータ量が少ないので、ネットワーク回線への負荷を軽減できる点などを評価したという。

 新システムでは、「演トレ指導講座」「虎の穴カンヅメ講座」を開講している。10年度に、自宅でも受講できるようになった。同一講座の自宅での復習やリスニングなど、e-ラーニング固有の教材も追加してきた。このほか、時事問題の検定であるN検(ニュース時事能力検定)の一般向けコンテンツなどを配信開始。すでに、全体で5000コンテンツを揃えているという。

 なお、インフラ面では05年度に、サーバーの冗長化による主要システムのバックアップ体制を完備。10年度に、安全性をより強固なものにするために、ソフトバンクテレコムのデータセンターにサーバーを移設した。

 一方、ITマネジメント面では、05年度に個人情報保護と情報セキュリティ管理体制を整備。従業員への研修を実施した。10年度に、情報セキュリティ方針や技術的な安全性について再考し、強化した。「例えば、USBメモリの使用を制限したり資産管理ソフトウェアを導入したりした」(山田ITC)。

 サマデイにとって、山田ITCはIT革新の立役者。早稲田塾情報開発室の高橋孔氏は、「山田さんが新しい風を吹き込んでくれた」と手放しで好評価している。(信澤健太)

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