IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>45.東海物産(下) 意見の調整が成功のカギ

2011/09/22 16:04

週刊BCN 2011年09月19日vol.1399掲載

 基幹システムの刷新に乗り出した東海物産。プロジェクトをけん引した鎌田敏治常務取締役生産担当こそが、成功のカギを握るキーマンだった。各部門のリーダーたちと1か月に2~3回、計30回ほどの会議を重ねた。阿部満ITコーディネータ(ITC)は、「鎌田常務によるメンバー間の意見調整が成功のポイントだった」と指摘する。

 鎌田常務を支援した阿部ITCは、まずは現在の業務フローとIT化の状況分析に取り組んだ。加えて、各部門の全員に時間をかけてインタビューを行い、それぞれの部門や業務で抱える二重登録や検索などの課題を可視化。これらを解決できるベンダーを選定するためにRFP(提案依頼書)の策定を支援した。

 内田洋行の食品業向けERP(統合基幹業務システム)「スーパーカクテル デュオFOODs」と、JFEシステムズの配合統合管理システム「Quebel」、ウイングアークテクノロジーズのビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Dr.Sum EA」の導入に際しては、カスタマイズの必要性をABCの3段階にランクづけして分類することで、コストが膨らむことを極力抑えた。

 2010年2月5日のキックオフからおよそ半年後、9月1日に稼働を開始した。「スーパーカクテル」を活用し、社内すべての情報の一元管理やデータの二重登録の回避、検索スピードの向上、分析データの整合性の確保が可能となった。数値化できた効果は年間500万円以上となった。例えば、受注があったつど自動返信するFAX機能や請求書の自動発行などの機能で、月間20万円ほどの人件費の削減に結びついている。

 このほか、「Quebel」と情報連携することで、トレーサビリティ(原料や製造の履歴)や製造原価などについての管理を高度化。取引先である食品メーカーから寄せられるトレーサビリティ情報に関する問い合わせに対して、回答時間を従来の平均8時間からわずか1時間以内に短縮することができた。

 「Dr.Sum」は、データベース内の各種データの分析に活用している。東海物産の岩田康男・品質保証部部長は、「『スーパーカクテル』は、『Dr.Sum』との連携性が高い。Excelでのデータ出力もできるのが魅力だ」と語る。(信澤健太)

左から岩田部長、鎌田常務、阿部ITC
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