正しいクラウドの普及

田村元 社長
 東日本大震災が起きたことで、自社内にシステムを設置しておくことに不安を覚える企業が増えた。3年前は、データセンターにシステムを置くことに不安感を抱く企業が多かったが、そうした意識が変わってきたことは当社にとって追い風となっている。

 企業が新しく事業を立ち上げる際のほか、会社を買収したり拠点を設立したりする際に、システムの構築にクラウドを採用するのがここ数年の傾向だ。興味深いのは、フロント系システムなどでクラウドを少し経験したうえで、「Netsuite」を検討する企業が増えていることだ。さらに、2011年に特徴的だったのは、日本企業の海外拠点から直接問い合わせてくるケースが散見されたことだ。海外拠点を任されたが、業務をまとめるシステムがない。そういう事情があって、「Netsuite」が注目されている。ERPを海外に展開するのは、大企業が多い。ERPを導入したものの、きちんとシステム統合されておらず、困って相談してくる中堅・中小企業もみられる。

 今は、キャズム(深い溝)越えをしているタイミングだとみている。これからは、クラウドERPの本当の成長が期待できる。適当にクラウド、SaaSと名乗っているベンダーが少なくないが、数年後には淘汰されていくはずだ。ただ、日本はユーザー不在の議論が多い。正しいクラウドの啓発活動を行っていく必要がある。