IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>67.池田時計店(下) インターネット販売を模索

2012/03/01 16:04

週刊BCN 2012年02月27日vol.1421掲載

 地域を取り巻く経済環境は厳しい状況にある。四国・徳島市に本社を置く池田時計店の吉村彰介代表取締役は、そんな厳しい状況の下で事業を拡大する戦略を練っている。同社は、宝石や時計、メガネを取り扱う店舗を四国を中心におよそ40店展開している。吉村代表取締役は、「店舗数を100ほどに増やす」ことを視野に入れており、店舗数の増加に備えて、これまで以上にITシステムをフル活用することを検討している。

 池田時計店は、ITコーディネータ(ITC)の小林勇治氏(イー・マネージ・コンサルティング協同組合理事長)の力を借りて、20年ほど前からIT活用による在庫管理システムやPOSシステムなどを順序立てて導入してきた。しかし、「社員から、動作が遅くて困るという声が高まり、システムの入れ替えの要望を受けている」(吉村代表取締役)という状況にある。マシンの処理能力の向上を目指して、吉村代表取締役は各システムの刷新に取り組むことを計画している。

 池田時計店での今後のIT活用は、機械の入れ替えにとどまらない。吉村代表取締役は、「当社が販売する製品のなかで、とくに宝石には底堅い需要がある」とみており、より多くの消費者に自社製品を購入してもらえるように、インターネット販売に本腰を入れることを考えている。池田時計店は、自社サイトで製品をアピールしていて、社員が更新するブログも展開しているが、本格的なインターネット販売にはまだ着手していない。

 ITシステムを活用して、顧客のニーズを迅速・的確に把握し、適切なルートで販売するインターネット販売の仕組みを構築するのは、小林ITCの腕の見せどころだ。小林ITCは、個人経営のスーパーマーケットなど、全国の中堅・中小クラスの小売業を対象に、インターネットを活用した販売仕組みづくりに実績をもっており、それを踏まえて、池田時計店でインターネット販売の立ち上げを支援していこうとしている。

 吉村代表取締役は、「ITを活用して、いち早くお客様のニーズをつかみ、幅広いルートで販売することで、厳しい状況の下でもシェアを上げていきたい」と意気込んでいる。(ゼンフ ミシャ)

現在は、リアル店舗だけで製品を販売
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