IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>95.ITC Conference 2012(下) ITCの活動を紹介するイベントを開催

2012/09/27 20:29

週刊BCN 2012年09月24日vol.1449掲載

 8月24~25日、ITコーディネータ協会が東京で開催した「ITC Conference 2012」で、ITコーディネータ(ITC)の多様な活動の事例が紹介された。各セッションは以下の通り。

●SMBグローバル化支援

 ITCの主な支援先となる中堅・中小企業(SMB)の海外事業展開が進んでいるなかで、SMBのグローバル化を支援することが、ITC活動の新たな分野として注目を集めている。カンファレンスでは、中小企業コンサルタントを務める林隆男ITC(ライジングコンサルタンツ代表取締役)は、SMBに最適な「国際展開の進め方」を解説した。海外ビジネス支援を強みとする林ITCは、「海外展開を考えているSMBは、現地駐在の日本人や海外コンサルタントとのネットワークを形成し、地場での営業活動に力を入れる必要がある」とアドバイスした。さらに、「JETRO(日本貿易振興機構)」などが用意するあらゆる海外展開支援制度を活用し、手順を決めて海外ビジネスを推し進めることが有効であると強調した。

●地域力の向上

 ITCの支援によって地域を活性化する事例として、愛媛県内の複数の機関がビジネスサポートのネットワークを結成し、中小企業を支援するプロジェクト「チームえびす」が紹介された。チームえびすは、相談窓口を設けたり、ITCをはじめとする専門家を派遣したりして、チームとしての強みを生かし、中小企業の経営課題を解決しようとしている(図参照)。プロジェクトに携わっている「特定非営利活動法人ITC愛媛」の吉田喜久男理事長は、「今後、チームえびすの活動を強化し、支援のクオリティを高めていくことによって、愛媛県の地域力を引き出したい」と述べた。


●製造業を活性化

 ITC活動の原点である製造業向け支援。カンファレンスでは、「精密位置決めスイッチ」の製造を手がけるメトロールの松橋卓司社長が、ITの活用によって中国を中心とする海外展開を拡大することができた事例を紹介した。今後もITCの力を借りて「工業用スイッチで世界一になる」という意気込みを示した。(ゼンフ ミシャ)
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外部リンク

ITコーディネータ協会=http://www.itc.or.jp/