年頭所感

【2013年 年頭所感・取材後記】 キーワードを見比べて――「挑戦」「変化・変革」「成長」が上位 「グローバル」が新顔で登場

2013/01/24 16:05

週刊BCN 2013年01月21日vol.1465掲載

 「年頭所感」は、『週刊BCN』の新春号に掲載する恒例企画。毎年、およそ80社の経営者の新年にかける思いを本紙の記者が取材し、キーワードを掲げながら紹介している。今回も82社のトップにご登場いただいた。トップの方々が選んだ言葉をまとめてみると、その年の傾向を知ることができる。また、過去の「年頭所感」と比べることで、共通点や相違点がみつかる。

 リーマン・ショックの影響が、日本のIT産業を直撃した2009年。その直後の2010年の1月と、2013年1月のキーワードを比較してみた。「挑戦」「変化・変革」「成長」はいずれも上位を占め、多くの経営者は、どんな時代にあっても強く意識している言葉であることがわかる。その一方で、2010年には「信頼」が5位に入っている。ユーザーのIT投資額が激減した環境にあって、顧客との信頼関係を取り戻そうという経営者の意気込みを感じる。2013年は「グローバル」が5位に入っているのが注目点だ。国内のIT産業が停滞期に入ったとみて海外市場に打って出るのが、最近のITベンダーのトレンド。そのことを象徴している。

 2013年、国内IT市場全体についていえば大幅な成長は見込めそうにないが、多くのITベンダートップは、ビジネスの拡大に意欲を燃やしている。決して悲観する状況ではない──。そんなふうに読めた今回の年頭所感だった。
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