IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>117.IT活用による経営課題解決講座(下) 個別支援の案件獲得を目指す

2013/03/07 20:29

週刊BCN 2013年03月04日vol.1471掲載

 独立行政法人中小企業基盤整備機構の中小企業大学校が全国各地のITコーディネータ(ITC)の力を借りて実施するIT活用による経営改善研修は、2013年度も引き続き開催される。

 中小企業の経営者や経営幹部、IT管理者を対象として、6~8月の間、北海道から九州まで全国6か所で2日間の短期研修を開く。さらに東京校で10月15~17日、11月28~29日、14年2月19~20日の3回に分けて、7日間の研修も行う。

 2日間研修では、1日目にIT経営成功企業と支援した地元のITCが講師を務め、ビジネスプロセスを改善したり、eコマースを実現するためのノウハウを伝える。2日目は阿部満ITCがメインで、実習を交えてレクチャーする。グループワークで企業の強みを分析し、ITツールをどのように活用すればビジネスを拡大することができるかを考える。

 研修の講師を担当している阿部ITCが全国を回って、各地でユーザー企業の実態について「地方に行くと、高速なデータ通信に必要な光回線の環境が十分に整っていないだけでなく、地方ならではのさまざまな課題を実感する」と語る。研修活動を通じて、経済の柱となる中小企業にITのビジネスへの活用の可能性を訴求し、地方の活性化に貢献することを目指しているという。

 「われわれITCは、ビジネスの一環として研修の講師を務めるわけだから、いかに中小企業とパイプを築き、個別支援の案件につなげていくかも考えなければいけない」と阿部ITC。研修によって、個別支援案件を獲得することも目標の一つに掲げている。

 例えば、個別支援の成功事例として埼玉県所沢市に本社を置く運輸事業者の吉田運輸がある。同社は、中小企業大学校の研修に参加し、その後、個別支援で阿部ITCのサポートを受けた。吉田運輸は、阿部ITCからアドバイスを受けて、顧客情報を管理するデータベース(DB)を構築したほか、ウェブ活用に注力してきた。SEO対策を打って、「埼玉 運送業」の検索キーワードで上位に表示される仕組みを実現し、自社のブランドを高めている。

 阿部ITCは、「研修や研修後の個別支援などを通じて、多くの中小企業が一層の発展をすることが自身のITCとしての役割だと捉えている」と語る。(ゼンフ ミシャ)
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