IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>130.武州工業(下) 現場のニーズを想定し開発に反映
2013/06/13 20:29
週刊BCN 2013年06月10日vol.1484掲載
町田武範
BIMMSチームリーダー
武州工業は、コスト削減やカスタマイズを重視しており、システム開発を自社の専門部隊である「BIMMSチーム」に任せている。町田武範・BIMMSチームリーダーは、製造現場を回って課題やニーズを把握する。現場の声を開発に反映することによって、常にシステムを進化させている。「システムそのものをつくることは簡単だが、『現場に使ってもらえるシステム』づくりはとても難しい」と、苦労の様子を語る。
町田リーダーは、「現場は、部品製造の作業で手いっぱいなので、煩雑な仕組みのITを好まない。ITツールにどんな機能を求めているかについてもなかなか教えてくれない。そのため私は、彼らの仕事をサポートする機能は何かを想定しながら、試行錯誤で開発を進めている」という。もし、システムのつくり直しをベンダーに発注したら、2回もコストが発生する。稼働開始までの時間も長くなるのだ。武州工業は自社の開発部隊をもっているからこそ、低コストでかつ短時間でのIT活用を実現している。
川内ITCは、武州工業をロールモデルとして、ほかの製造会社への横展開を考えている。しかし、限界も感じているという。「武州工業は社員数が100人以上なので、自社に開発部隊を設けることができる。しかし、100人以下の会社の場合は、人手が足りないので、なかなか実現しにくい」と、中小企業のリソース不足を課題とみている。
そこで川内ITCは、ITの専門家でなくても、簡単に使うことができるシステム開発ツールをつくりたいと考えているそうだ。「エクセル感覚で利用し、簡易なプログラムの開発ができる仕組みを実現し、リソースが少ない中小企業でも、ITの活用ができることを実現したい」と構想を語る。(ゼンフ ミシャ)
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