IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>134.国立成育医療研究センター(下) レスポンスを2分から3秒に
2013/07/11 20:29
週刊BCN 2013年07月08日vol.1488掲載
2012年7月に「妊娠と薬情報センター」のデータベース(DB)システムの刷新に着手し、12月に新しいシステムの稼働を開始した秋山好成ITコーディネータ(ITC)。「初めのうちは、医薬品に関する知識や専門用語、データ構造の把握にかなり苦労した」と振り返る。
今回のシステムのポイントは、薬の服用について相談を希望する妊婦から送信される情報を、いかに正確に効率よくDBに入力することができるかを追求する、使いやすい操作画面の実現だった。さらに、研究活動のスピードを上げるために、迅速に情報検索ができる機能も必要になった。
秋山ITCは、「システム開発の最初の段階では、薬関係の知識が足りず、『妊娠と薬情報センター』が求める検索結果にならなかったり、検索のレスポンスも悪かった」と、失敗を繰り返したという。同氏は、客先と密に連携し、信頼関係を築くことを信条としている。今回も、頻繁に「妊娠と薬情報センター」に足を運んで知識を吸収し、勉強に励んだ。
そして「理解が深まるにつれて、求められた検索結果になり、検索のレスポンスも向上。16万件のデータ件数のレスポンスタイムを最初の120秒から3秒に減らすことができた」(秋山ITC)と語る。
旧システムからのデータ移行も工夫した。専用プログラムを作成し、リハーサル(テスト移行)を繰り返したという。「最初のリハーサルでは移行に5時間かかっていたが、プログラムの構造を何度も見直し、本番移行では1時間まで短縮した」(秋山ITC)と述べる。
中島氏は、「当センターには、ITに詳しい人がいない。今回、ていねいに対応してもらい、新システムへの切り替えをスムーズにできた」と満足げだ。秋山ITCは、「今後もITを活用し、業務の効率化を支援したい」としている。(ゼンフ ミシャ)
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