10月30日、東京国際フォーラムで開催された「日立イノベーションフォーラム2013」で、日立ITユーザ会が活動成果を発表した。担当したのは、三つあるワークショップ(分科会)の一つ、人材育成・ワークショップ。ベンダーの製品やサービスとはリンクしないテーマで議論ができるのも、ユーザー会の魅力だ。

ドラッカーが題材

 人材育成・ワークショップでは、「教えてドラッカー、働く私はITでどこまで伸びるの?」などの著者として知られる森岡謙仁氏を講師に迎え、ITマネジメント人材の育成をドラッカーの「マネジメント」の視点で取り組んだ。発表内容は、そこで学んだことをどのように現場に適用したかというもの。ワークショップのメンバーが抱える課題が多種多様なので、解決に向けた取り組みもさまざまだ。

 最初に活動成果を発表したのは、第一生命情報システム 基盤システム第三部 NOTES開発第一グループの岡崎宏昭グループ長。人材育成には、PDCA手法だけでなく、目標を定めて常に意識づけ・動機づけしながら部下とのコミュニケーションを図る「OOMMD(Objectives、Organize、Motivate、Measurement、Develop)」も必要だとドラッカーから学んだ。とはいえ、具体的にどのように行動すべきか、部下はついてくるのか、一人で空回りするのではないか、などと考えたという。相手が人ゆえに、人材育成は簡単ではない。ましてや、社外でドラッカーを学んできて、得意げにマネジメントの真髄を語りだしたらどうだろう。職場で総スカンを食う羽目になりかねない……。

 こうした思いも、ワークショップのメンバーとの議論のなかで解決していく。この結果、人材育成は一人で無理するのではなく、小さな成功を少しずつ増やしていきながら周囲を巻き込んでいくという方法にたどり着く。「人材育成は仕かける側があきらめたら終わり」と岡崎グループ長。登壇した他のメンバーも、同様にワークショップでの議論で自身の課題解決を見出していったという。

 一般に、ユーザー会では、日立ITユーザ会の人材育成・ワークショップのように、IT以外の課題についても共有し、解決していくこともある。企業が社員を有料セミナーに参加させるよりも、低コストですむという点で評価が高い。また、ユーザー会なので、ワークショップ終了後も顔を合わすことができ、その後の情報共有がしやすいというのも有料セミナーにはない魅力だ。

人材育成・ワークショップでの成果を発表した第一生命情報システム
基盤システム第三部 NOTES開発第一グループの岡崎宏昭グループ長