私は、中小企業のIT活用経営を支援する企業内ITコーディネータ(ITC)である。およそ50人が勤務するソフトハウス(社名=ニックス)で、取締役とICT利活用推進営業部の部長を兼務している。ITCの資格は、今年3月に取得した。
勤務先の会社では、現在、主要取引先をこれまでの大手・中堅企業だけでなく、中小企業へ拡大しようとしている。当社は中小規模のソフトハウスなので、これまでは大手IT企業からの下請けの受託ソフト開発のビジネスに収益を依存してきた。しかし、ここ数年の間に、受託ビジネスの案件は単価が下がって、案件の数も減ってきた。このままでは、いずれ下請けのビジネスで食べていくことはできなくなると考えて、大手IT企業が手薄な中小企業に目を向けて、元請けのユーザー企業を開拓することに力を入れている。
私がITCの資格を取得したのは、中小企業との関係をより深くして、ただシステムを提供するだけでなく、経営レベルで支援していくためだ。これまでは、IT商材を売ることが目的となっていて、どうしてもシステムありきの提案になる傾向があった。だから、ITの活用に関して悩みを抱えている中小企業にとっては、相談しにくいという実情があった。しかし、ITCの資格とPGL(プロセスガイドライン)を活用すれば、中立的な視点から、中小企業の経営について提案することができる。
私は、自分一人だけでなく、営業やエンジニアを含めた会社の多くのメンバーが資格を取得すれば、より中小企業と密接に関わっていけると考えている。だから、50人ほどの社員のなかで、すでに9人にITCの資格を取得してもらった。今年中には、さらに6人にITCの資格を取得してもらうつもりだ。(談)(真鍋武)
【ITコーディネータのプロフィール】名前:小池龍輔
所在地:東京都渋谷区
所属:ニックス
略歴:ソフト開発を手がけるニックスで取締役兼ICT利活用推進営業部部長を務めている。ITCの資格は、2013年3月に取得。