燃えよユーザー会 ~もっとITを有効活用したいユーザー企業へ~

<燃えよユーザー会 ~もっとITを有効活用したいユーザー企業へ~> 「もっと有効活用したい」で会員急増中――VMwareユーザ会

2013/12/19 20:28

 仮想化のリーディングカンパニー、VMwareのVMwareユーザ会(VMUG)は、2011年2月の設立。歴史は浅いが、すでに約250団体の会員を集め、今なお増加し続けている。背景にあるのは「自社の仮想化環境は、これでいいのか」との素朴な疑問ではないだろうか。問題なく稼働していたとしても、それが最適な仮想環境とはいえないかもしれない。「他社の使い方を知りたい」。その声がVMwareユーザ会への期待に変わって、ユーザー企業を引きつけている。

会を支える3人の幹事

 VMUGは、2011年2月の設立直後、東日本大震災によって活動を1年間停止したため、実質的な活動は2012年からということになる。事務局は企画立案をサポートするだけで、活動内容はユーザー会が中心となって決めていく体制を短期間で整えた。

 VMUGがユニークなのは、ほかのユーザー会にある会長職がないこと。代わりに「幹事」という役割がある。現在は部会が三つあるので、幹事は3人。全体の活動内容を決めるのも幹事の役割だ。

「他社の使い方を知りたい」

 VMwareのユーザー企業は、仮想化環境を構築したことで、実際にサーバーの台数や設置面積が減り、消費電力も削減できている。仮想化環境としては、ほぼ成功しているといっていい。それでも、「本当にこれでいいの?」という気持ちがどこかに残っているらしい。

 VMUG事務局を担当しているヴイエムウェア マーケティング本部の篠原克志本部長は、「仮想化が浸透するにしたがって、『他社の使い方を知りたい』『もっと効率的に使いたい』という声が出てくるようになった」と語る。VMwareはインフラ製品ということもあって、ユーザー企業は中身をオープンにしたがらない。それがユーザー会なら、オープンなディスカッションができるのでは、という期待からVMUGが設立された。

 「VMwareの運用には、経験が必要な部分がある。実際に触ってわかることも多い。そうした情報を共有してもらいたい。だから部会では、とくに情報交換を重要視している」と、VMUG事務局を務めるカスタマーマーケティング部の松波孝治カスタマーマーケティングマネージャは語る。その狙い通り、「次のステップに進みたい」「先行ユーザーの話を聞きたい」ということから、VMUGにはユーザー企業どんどん集まってきた。

海外のVMwareユーザ会とも連携

 VMwareユーザ会は海外にもあって、世界に約8万人の会員がいる。海外事例にも学ぶべきところは多く、日本のVMUGは海外との連携にも積極的だ。例えば、ヴイエムウェアの年次イベント「vForum」にゲストとして海外の会員を招き、情報交換を行っている。

 「サーバー統合の視点にも、日本と欧米とでは違いがある。日本では、サーバーを5台くらいまとめると満足してしまう企業が多いが、欧米では、二桁のサーバー統合があたりまえのように行われている。事例を知って、初めてその違いに気づくこともある」と篠原本部長。他社の事例を見れば、自社のサーバー統合率や集積率に関心をもたずにはいられなくなる。VMwareがもつサーバー統合以外の機能についても同じだ。

 部会の活動報告は、2月の総会で行われる。まだ活動が始まって実質2年目だが、部会のテーマは毎年見直していくという。また、現在は東京を中心に活動しているが、今後は大阪にも活動の場を設ける予定だ。現在のところ会費は無料。急増する会員を歓迎すべきだが、運営費が重くなるので、有料化やスポンサーを募ることなども検討する段階に来ているという。 
 

VMwareユーザ会事務局を担当するヴイエムウェア マーケティング本部の篠原克志本部長(左)とヴイエムウェアマーケティング本部カスタマーマーケティング部の松波孝治カスタマーマーケティングマネージャ

【概要(2013年12月現在)】

入会資格:ヴイエムウェアのエンタープライズ向け有償製品を利用している企業・団体
入会金:なし
会費:無償(2013年度時点)
会長:なし(幹事3人、慶應義塾大学ITC本部 金子康樹課長、ニッセイ情報テクノロジーインフライノベーション事業部 高倉禎氏、本田技研工業IT本部システム基盤部 岩本淳部長)
主な活動:ディスカッションや情報交換の場である部会、会員向けセミナー、メールによるニュースレターの配信。
会報誌:なし
会員企業数:約250団体
発足:2011年
その他:毎年2月に総会を実施
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外部リンク

VMwareユーザ会=http://www.vmware-usergroup.jp/