独立系ITコーディネータ（ITC）の私は、ここ数年、中小企業から個別のコンサルティング案件を獲得することが難しくなってきたと感じている。私自身、最近は研修・セミナーに関する企画の仕事が大部分を占めるようになった。こんな状況の下では、ITC組織に所属して、他のITCとつながりをもっておくことが大切だ。

　なぜなら、現下の中小企業のIT予算が低迷している状況では、独立系ITCとして一人で多くの個別案件を獲得して、高収入を得ることは困難だからだ。年収1000万円プレーヤーになることができるのは、機会と才能に恵まれたほんのひと握りのITCに限られている。

　また、独立系ITCには、エンジニア出身者が多く、論理的な発想には長けているけれども、新たなアイデアを生み出すことが苦手で、営業力が弱い人が多い。独立系ITCは、「一人で動く」という考え方を変えるべき時が来ているように思う。

　組織に入って、他のITCとつながりをつくっておけば、お互いに案件を紹介したり、協力関係を結んで、お互いの弱みを補完しながら中小企業を支援したりすることができる。

　とくに強調しておきたいのが、ITCには「ITCプロセスガイドライン」という共通の考え方があるということだ。例えば、いろいろな会社のエンジニアが、何かのプロジェクトで一緒に働くときには、得意分野や考え方の違いが原因で、仕事がやりにくいことがある。しかし、ITCの場合、全員が同じ「ITCプロセスガイドライン」という、共通の手法を共有しながら支援活動にあたる。だから、他人同士でも、円滑に仕事を進めていくことができるのだ。（談）（真鍋武）