［ファイルサーバー］
複数のPCでファイルを共有できる機能を備えたサーバー（ソフトウェア）

　そもそも「サーバー」とは、ネットワークを通じて、利用者（クライアント）の要求に応じたサービスを提供するコンピュータのことで、そのコンピュータにサーバーとしての機能を提供するものを「サーバーソフトウェア」という。サーバーソフトウェアには、メールサーバーやアプリケーションサーバーなどがあり、ファイルサーバーもその一種である。

　ファイルサーバーは、クライアントである複数のPCにファイルを共有できるサービスを提供する。あるPCからファイルサーバー上にファイルをアップすることで、他のPCからファイルサーバーにアクセスし、アップされたファイルを開いたり、編集したり、ダウンロードすることができる。複数のPCで同じファイルを利用する場合や、データのバックアップ先としての利用などに向いている。

　ファイルサーバーの運用にあたっては、クライアント数とそのデータ利用量を見越したファイルサーバーのハードディスク容量を用意することが重要だ。物理環境の場合、容量不足になると、その都度ファイルサーバーの容量を追加する必要が出てくる。

　そこで、クラウドである。クラウドでは、簡単なオペレーションで容量を増やせるため、クラウド環境でのファイルサーバーも増えてきている。

　また、ファイルサーバーとしての機能に特化した「NAS（Network Attached Storage）」と呼ばれるストレージ製品もある。（文／前田幸慧）

［ウェブサーバー］
利用者に対して、依頼されたウェブサイトを表示するために必要な情報を提供するサーバー（ソフトウェア）

　ウェブサーバーは、利用者に依頼されたウェブサイトをウェブブラウザ（ブラウザ）に表示するための情報を利用者に提供する。つまり、利用者がみたいウェブサイトをみることができるようにするのがウェブサーバーだ。

　利用者があるウェブサイトをみたいと思ったとき、まずは「Internet Explorer」や「Google Chrome」などのブラウザを立ち上げ、アクセスしたいウェブサイトのURLを入力したり、リンクをクリックしたりして、みたいウェブサイトを指定する。続いて、利用者からリクエストを受け取ったブラウザがウェブサーバーに対して、利用者が求めるウェブサイトに関する情報の提供を要求する。ウェブサーバーは、ブラウザから受け取った要求を解析し、依頼されたウェブサイトのHTMLや画像などの情報をブラウザに提供する。そして、ウェブサーバーから返ってきた情報をブラウザが解析して表示することで、利用者はウェブサイトを閲覧することができるようになる。実際の利用者の手間は、ブラウザにURLを入力する、あるいはリンクをクリックするのみだが、ウェブサイトを表示するにあたり、ブラウザとウェブサーバーでこのようなやりとりが行われている。両者間のデータの送受信には、HTTPと呼ばれるプロトコルが用いられる。

　代表的なウェブサーバーソフトウェアとしては、「Apache（Apache HTTP Server）」や「Microsoft IIS（Microsoft Internet Information Service）」がある。（文／前田幸慧）