［ゼロデイ攻撃］
ぜい弱性が発見されてから修正プログラムが提供されるまでの間に、そのぜい弱性を突く攻撃

　ゼロデイ（zero day、0日）とは、コンピュータソフトウェアのセキュリティ上の弱点であるぜい弱性（セキュリティホール）が発見されてから、修正プログラム（セキュリティパッチ）が提供されるまでの期間のこと。そのタイムラグを利用して、ぜい弱性を突く攻撃をゼロデイ攻撃という。また、攻撃されたことで初めて明らかになったぜい弱性に対する攻撃もゼロデイ攻撃と呼ばれる。特定のターゲットに対して行われる「標的型攻撃」と組み合わせ、標的にメールの添付ファイルやリンクをクリックさせることで、ウイルスに感染させるというケースが多い。

　ぜい弱性を突く外部からの攻撃に対しては、修正プログラムをあてることが有効な対策となる。しかし、ゼロデイ攻撃に対しては、ぜい弱性対策となる修正プログラムが提供される前に攻撃を受けてしまうため、被害を防ぐことは難しい。

　そのため、ゼロデイ攻撃への有効な対策は、攻撃をかわす、攻撃された場合は被害を最小限で食い止めること、とされる。ベンダーが提示している回避策を実行することや、セキュリティ対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保っておくなどの基本的な対策を徹底することが重要である。

　いずれにしても、ゼロデイ攻撃に対する完全な防衛策はない。ふだんからぜい弱性に関する最新情報を集めたり、攻撃を想定した準備をしたりすることが求められる。（文／前田幸慧）

［ランサムウェア］
マルウェアの一種。感染するとPCをロックされたり、ファイルを暗号化されたりするうえ、元に戻すことと引き換えに身代金を要求してくる

　ランサムウェアはマルウェアの一種で、メールに添付された悪意あるファイルの開封や、文中に記されたリンクのクリック、改ざんされたウェブサイトの閲覧などによってPCに入り込む（感染）。感染すると、ランサムウェアは、PCへのアクセスを制限したり、ファイルを暗号化して使用不可能にしたりする。そののちに、画面上にポップアップを表示して、PCやファイルを元に戻すことと引き換えに金銭（身代金）を要求する。こうした特徴から、ランサムウェアは「身代金要求型不正プログラム」とも呼ばれる。ランサムウェア（Ransomware）という言葉自体も、「Ransom（身代金）」と「Software（ソフトウェア）」を組み合わせた造語である。

　2015年末に話題になった、感染したファイルの拡張子を「.vvv」に変え暗号化する、いわゆる「vvvウイルス」もランサムウェアである。ランサムウェアの被害を防ぐには、定期的なバックアップが有効である。また、セキュリティ対策ソフトの導入や、OSやソフトウェアを最新の状態に保つなどの基本的なセキュリティ対策も、ランサムウェアに感染するリスクを減らすことにつながる。

　最も重要なのは、金銭を要求されても安易に応じないということ。ランサムウェアに感染したら、金銭を渡すのではなく、まずはしかるべきところに相談していただきたい。（文／前田幸慧）