コンバージドインフラ

　「Converged Infrastructure」の略。サーバーや共有ストレージ、ネットワークなどに関する機器を一つにまとめた仮想化基盤で、「垂直統合型システム」と呼ばれる。

　システムは、メーカーがあらかじめ各機器の互換性を検証し、最適化した推奨構成となっている。動作も保証されているので、稼働の安定性が確保できる。

　特定の１社からパッケージ製品として購入できるため、サーバーやストレージなど、各機器の仕様や組み合わせなどを事前に検討しておく必要がない。
　各機器を個別に調達して独自のシステムを構築するよりも、導入期間の大幅な削減が可能。初期コストの抑制も期待できる。

　このほか、サポートや問い合わせに関するメーカーの窓口が一本化できるので、トラブルやシステム移行が必要になった場合、対処しやすいのも特徴だ。
　同じ機器を増設すれば、システム導入後でも、ストレージの容量を増やしたり、性能を向上させたりすることができる。

　しかし、システムを構成する機器が決まっているので、機器類の変更などをはじめ、システムの柔軟なカスタマイズは難しい場合が多い。

　共有ストレージに過剰な負荷がかかると、システム全体の性能が低下することもある。

　サーバーラック単位での導入となるため、空調などを整えた設置場所を確保しなければならない。地震などの災害への備えを万全にしておくことも必要だ。

ハイパーコンバージドインフラ

　「Converged Infrastructure」の頭に「Hyper」をつけた名称の略。コンバージドインフラの進化版という位置づけで、各機器の集約度をより高めたのが特徴だ。

　コンバージドインフラとの違いは、より一層の小型化を実現した点だ。サーバーやストレージ、ネットワークに関する各機器は、2Uサイズ程度のスペースがあれば設置できるので、大がかりなサーバーラックは不要となる。

　小型の理由は、各機器の機能をサーバー上でひとまとまりにして、ソフトウェアで管理できるから。機器の構成は、コンバージドインフラに比べてシンプルにできるので、スペースだけでなく、運用に必要なコストを減らすことも見込める。

　さらに、複数のサーバーを横断的に活用するため、拡張性も高い。機器を追加してネットワークに接続するだけで、ストレージの容量を増設したり、性能を変更したりすることができる。一般的に、専門知識がなくても、日常の運用はできるとされている。

　運用のしやすさとシンプルな構造を兼ね備えているほか、コンバージドインフラと同じように、サポートや問い合わせに関するメーカーの窓口は一本化できる。導入までの時間を短縮できることも共通点だ。

　最小単位ですばやく導入し、徐々に規模を大きくしていくことができるため、スモールスタートをする場合や、比較的小規模な企業での導入に適している。頻繁に事業規模が変わる環境にも対応できるので、部署レベルでも導入できる。