CPU

　「Central Processing Unit」の略。日本語では「中央演算処理装置」などと訳す。コンピュータの制御や演算をする際に中心的な役割を果たすため、人間の頭脳にあたる部分として理解される場合が多い。

　CPUは、1970年代に登場し、その後のPCの普及とともに世界中に広まった。ちなみに、世界初のCPUは、米インテルと日本のビジコンが共同で開発した電卓向けの「i4004」である。

　CPUには、記録用や演算用、制御用など、さまざまな回路が組み込まれている。最新のCPUでは、回路の数が10億を超える。たくさんの回路が集積しているため、大規模集積回路（LSI）の一種としてCPUを扱うこともある。

　CPUの進化を語るうえで、よく使われるのが、本コーナーで以前紹介した「ムーアの法則」だ。同法則は「コンピュータの性能は2年で2倍になる」などと解釈されている。インテルのCPUは、ムーアの法則とほぼ一致する形で推移してきている。ただ、最近では、CPUの進化が限界を迎えているという指摘もある。

　CPUのメーカーでは、インテルが最も有名。市場では最大シェアを獲得しており、世界中のPCに搭載されている。「Computex Taipei 2017」では、インテルCPUの最新シリーズが発表された。

　インテルの一強が続くなか、米アドバンスト・マイクロ・デバイス（AMD）は、低価格で高性能のRyzenシリーズで巻き返しを図っている。

GPU

　「Graphics Processing Unit」の略で、「画像処理用演算装置」などと訳す。PCなどで画像を処理する役割を担うが、ディープラーニングに活用できる技術として大きく注目されている。

　GPUは、1980年代頃に主流だったグラフィックコントローラが起源である。初期の頃は、画像処理の計算が重いことから、CPUの負担を軽くするためにグラフィックコントローラが使われていた。

　その後、90年代にマイクロソフトのOS「Windows」が登場。画像処理がより重要視されるようになり、各社の競争が激化するなか、米NVIDIAがGPUを生み出した。

　同社によると、CPUとの違いの一つとして、コア数がある。数個のコアで構成するCPUに対し、GPUは数千個の小さなコアで構成するため、並列作業がより効率的に処理できるという。

　これまではPCやゲーム機に搭載されることが多かった。複雑な計算ができる特徴を生かし、最近ではVRのヘッドセットにも使われている。

　GPUは、画像処理だけでなく、莫大な計算にも向いている。そのため、現在の第三次AIブームを支えるディープラーニングを実施するうえで欠かせない技術になっている。

　NVIDIAは、AIの実用化を目指している多くの企業と提携している。日本企業では、産業用ロボットを手がけるファナックや自動運転技術の開発を進めるトヨタ自動車が代表的だ。