RPA

　「Robotic Process Automation」の略。企業の生産性向上につながるツールとして、世界中で大きく注目されている。

　RPAは、画面上の入力作業をソフトウェアによって自動的に処理することを指す。自動化する際は、入力作業などのオペレーションを実行するためのルールを定めることが必要。入力だけでなく、コピーやペースト、複数のアプリケーションにまたがった処理もできる。そのため、単なるシステム連携ツールをRPAとしてブームに便乗するケースも出てきている。

　日本RPA協会は、RPAを「これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を人間に代わって実施できるルールエンジンやAI（人工知能）、機械学習等を含む認知技術を活用した業務を代行・代替する取り組み」と定義する。

　導入のメリットでは、人件費などのコスト削減や事務処理量の低減が期待できる。また、人間と違って24時間365日稼働させることができるほか、うっかりミスがなく、退職する心配もないため、安定的に業務を効率化させることが可能だ。

　日本では、ここ数年で一気に注目が集まった。これまでにないスピードで進むことが予想されている人口減少の影響により、労働力の確保が難しくなってきているという事情がある。新たな労働力として、すでに一部の企業で導入されている。

　RPAは今後、企業の規模を問わずに導入が進み、市場は拡大すると期待されている。

ボット

　「ロボット」の略。特定の処理を自動化するためのコンピュータプログラムを指す。SNSやカスタマサポートなどで使われている。

　ボットが一般的になったのは、ツイッターやフェイスブックなどのSNSが普及した2000年代から。主にSNSの書き込みを自動的に処理するボットが知られている。

　ボットの歴史は古く、1960年代には、チャットボットにあたる対話型の自然言語処理プログラム「ELIZA」（イライザ）が発明されていた。当時は、人工知能から派生した「人工無能」と呼ばれていた。

　その後、検索サイトの情報収集などの用途で利用が拡大した。技術の進歩に伴い、人間と同じような会話ができるチャットボットが登場。企業のウェブサイトでは、顧客からの問い合わせに自動的に回答する目的で使われている。

　ボットは、スマートフォンでも利用されている。米アップルのiPhoneに搭載されている「Siri」や、グーグルのOS「Android」に「オッケー、グーグル」と話しかけるパーソナルアシスタント機能は、ボットの一種である。

　ボットは、ブームの時代を迎え、ヘルプツールや雑談、注文受付などの目的でも導入されている。AIを使い、完全に自動化したボットもある。

　一方、セキュリティの領域では、サイバー攻撃や不正アクセスをするプログラムをボットと呼ぶことがある。ボットによって乗っ取られたコンピュータのネットワークを「ボットネット」という。