2014年設立のSARAH（サラ）は、グルメ情報アプリを運営するスタートアップです。最近では食品メーカーや飲食店向けにデータを活用した商品開発やマーケテイングを支援するサービスも提供し、大手企業から資金調達するなど注目を集めています。高橋洋太代表取締役に、同社のビジネスについて話を聞きました。


どんな会社なの

「より善いごはんとの出会いをつくる」のミッションを“食”のデータにより実現する「EatTech（イートテック）」カンパニーです。
 
　EatTechとは、「Eat」と「Technology」を組み合わせた造語。「FoodTech（フードテック）」が広く“食”に関わるテクノロジーを指す中で、EatTechは特に「食べる行為に関するテクノロジー」を指す概念として、同社が提唱しています。

　EatTech企業として、三つのサービスを展開。一つがグルメコミュニティーアプリ「SARAH」で、飲食店のメニュー（料理）単位で口コミ情報を投稿・検索できるメディアサービス。累計投稿数は70万超、20年8月時点の月間利用者数（MAU）は約160万に上ります。

　二つめが、外食ビッグデータサービス「Food Data Bank」。SARAHの投稿データを集計・分析できるサービスです。食に関するトレンドを把握し、食品メーカーや飲食店における商品開発やマーケティングに活用することができます。これまでに食品メーカーを中心に採用されていて、今年10月にはセブン-イレブン・ジャパンからの出資を受け、同社の商品開発で活用されるとともに、Food Data Bankのサービス向上を共同で進めていく方針です。

　三つめが、電子メニューサービス「Smart Menu」。飲食店のメニューを電子化し、来店客がスマートフォン上で見られるようにするサービスです。現在はベータ版で提供していますが「3カ月以内」に正式版を提供する予定。現在はメニューの閲覧のみですが、正式版では注文までできるようにする計画です。

　こうした三つのサービスで、より消費者一人一人に合った食との出会いが提供可能に。Smart Menuで注文を電子化し、SARAHアプリでユーザーに通知し、リピートを促す。サイクルを繰り返すとデータがどんどんたまっていき、マーケティングや商品開発に活用していくことができるとしています。

今後の方向性は

消費者の食の行動データを価値としてフィードバックすることに実直に取り組んでいきます。

　「世の中にたくさんおいしいものをつくっていく、おいしいものとの出会いを増やしていくため、しっかりと価値を提供していく」と強調。そこに向けて、アプリの改善などに取り組みます。将来的には、食に関するデータ提供を強みに海外展開も行っていく考えです。

よろしくSARAH

　これまでのビジネスについて、特にFood Data Bankは食品メーカーからの反応もよく「非常に手応えがある」と話す高橋さん。その上で、より大きな市場を狙うためには「Smart Menuの普及が重要」だと言い、開発・展開に力を入れていく方針です。SARAHは「EatTechサービス」でイッポ前へ！