石川県情報システム工業会(ISA)は、スローガンに「石川をダントツでICTの先進県にします」を掲げ活動する。会員企業同士の交流機会の創出や情報提供に加え、展示会の開催、自治体との連携による「金沢IT部活」といったさまざまな取り組みを通じて、県内のICT産業の発展に向けて尽力している。事務局長の北川和昌・専務理事に、活動内容や今後の方向性を聞いた。(大向琴音)
幅広い会員が連携しICT産業の活性化へ
――ISAはどのような団体ですか。
ISAは1986年に設立され、当初の会員数は25社でした。現在は県内のICT産業が成長していることを受けて、会員数は135社(6月現在)となっており、IT企業以外にも、電子メディア、教育、印刷など幅広い事業者が参画しています。
設立当時は、会員交流のための会報誌やガイドブックの発行、技術セミナーの開催などを事業としていました。現在は、ICT産業に携わる企業や団体が協力し、技術力向上や交流を目的とした機会の提供を通じて各社の成長につなげることを目的としています。
北川和昌・専務理事
――多様な業種に門戸を開いている理由を教えてください。
ICT産業を強くすることは、IT企業だけでは不可能だと考えています。ICTは目的を達成するためのツールです。そのため、各業界の会員のほか、鉄鋼や繊維、食品といった県内のさまざまな産業とも連携しながら活動しています。
――会員にはどのようなメリットがありますか。
情報交換やビジネスチャンスの創出につながる交流会の開催や、県内企業の見学会を通じてDXの先進事例を学ぶ施策を実施しているほか、県内の総合人材育成機関「石川県IT総合人材育成センター」の研修を受講した会員向けに補助を行う支援制度を設けています。行政と共にサイバーセキュリティーや最新技術動向に関するセミナーも開催しており、会員企業だけでなく一般企業向けにも展開しています。
会員企業であるマクニカと協力して、最新の商材をその他の会員企業に紹介し、そこからビジネスを創出するといった試みや、一つの商材をテーマにいくつかの企業が連携して商談を行うといった取り組みをしています。
展示会を活用し会員企業の人材採用を支援
――その他にはどのような活動をされていますか。
設立当初から毎年、ICTビジネスフェア「いしかわ情報システムフェア」を開催しています。2026年は5月に開催し、これまでで最大となる89社・団体が出展、2日間で5300人ほどが来場しました。県内企業だけでなく大学や県外企業なども参加しています。
今回は新たに学生向けの企業紹介ブースを設けました。展示会場で実際の製品を見たり、開発者と話したりできる機会を提供しました。IT企業の採用促進という面だけでなく、学生に県内企業を知ってもらうことも目的の一つです。
――人材育成にも注力されています。
人材育成に関しては、数年前から金沢市の小学生や中・高校生を対象に、金沢市と連携して「金沢ロボ活」や金沢IT部活を主催しています。
小学生向けには、全国・世界規模のロボットコンテスト「WRO(World Robot Olympiad)」などに挑戦するため、金沢ロボ活を通じて、ロボットについて学べるようにしています。中学生、高校生は金沢IT部活で、ゲーム制作のほか、マイコン搭載モジュール「M5Stack」を活用したセンシングなど、よりICT全般に触れる機会をつくっています。
――今後の展望をお願いします。
マクニカと連携した商材紹介の取り組みは、会員企業のビジネスに直結する部分ですから、今後さらに活性化させたいです。また、県や市の政策への提言も続けます。ICTは全ての産業に対して生産性向上などのメリットを提供できる立場です。県内産業の成長に役立つかたちでICT産業が活躍できるようにするためには何をすべきか、引き続き考えていきたいです。
<紹介>
【石川県情報システム工業会】
1986年に設立。会員会社のIT技術や、資質の向上を図るのに加え、関連業界の健全な発展に努めることを目的としており、「石川をダントツでICTの先進県にします」をスローガンに掲げる。会員企業数は135社(2026年6月現在)。