旅-経営者の目線-
<旅-経営者の目線->1.ニューヨークへ
2002/02/04 15:27
週刊BCN 2002年02月04日vol.927掲載
「あのビルは基礎が弱いからね」。あの日、NY911のビル崩落をテレビの中継で見ながら、大塚実氏は24年前、写真に撮ったWTC建設現場を思い出した。「僕は旅が好きで、いつも人が感じない、何でもないことに、感心してしまうんですよ」。この経営者の目線が大塚商会を築いた。会長就任を機に髪を染めるのをやめた。「これまで自分を偽っていたからね」。月1回ペースで投稿を願うことになった。(BCN主幹・奥田喜久男)
連載の始まりはニューヨークからにした。1977年10月9日、私たち一行は羽田を発ってニューヨークに向かった。当時はまだ成田空港はできていなかった。
10月9日というのは私の誕生日なので、出発前の羽田と到着後のニューヨークで、2日連続して誕生祝いをして貰うという目出たい旅のスタートになった。
初めて見るニューヨークは、観るもの聴くもの驚きの連続で、ウォール街やエンパイアステートビル、そして今は無き双子の国際貿易センターなどの超高層ビル群に驚嘆させられた。
その反面、ハーレムの街頭では、バス内から住民にカメラを向けるなといわれ、多民族国家の難しさを体感することができた。
チャイナタウンに向かう道すがら、街角で建築中のビルに出会い、その柱の細さを見て吃驚仰天した。
地震国の日本では考えられないことなので、記念に一枚撮ってきた。自由の女神像の背景に並んで立つ双子の貿易センタービルも、今となっては貴重な写真になってしまった。
「あのビルは基礎が弱いからね」。あの日、NY911のビル崩落をテレビの中継で見ながら、大塚実氏は24年前、写真に撮ったWTC建設現場を思い出した。「僕は旅が好きで、いつも人が感じない、何でもないことに、感心してしまうんですよ」。この経営者の目線が大塚商会を築いた。会長就任を機に髪を染めるのをやめた。「これまで自分を偽っていたからね」。月1回ペースで投稿を願うことになった。(BCN主幹・奥田喜久男)
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