北斗七星

北斗七星 2004年5月3日付 Vol.1038

2004/05/03 15:38

週刊BCN 2004年05月03日vol.1038掲載

▼4月末までに大手電機・電子メーカーの本決算が出揃った。ソニーは売上高が横ばいだったのに加え、構造改革費用の計上で大幅な減益に。しかし、湯原隆男執行役常務は「半導体設備で3年間で5000億円を、R&Dにも半導体の技術開発を中心に3年間で5000億円を投資する」と、事業構造改革の前倒し実施とともに、戦略的投資でソニーの復活をアピール。

▼パソコン事業の再生が大きな課題になっている東芝。笠貞純・取締役執行役員上席常務は、「1月に発表した時の営業損失に比べて、最終的に45億円改善した。パソコン事業の分社化で立て直しは順調に進んでいる」。ワールドワイドでの今期のパソコン出荷見通しは前期に比べ100万台プラスの550万台と強気の姿勢だ。

▼液晶事業が好調なシャープの町田勝彦社長。2004年3月期は売上高、利益ともに過去最高。「05年3月期も売上高、利益とも過去最高の更新を狙う」と意気軒昂だ。業績好調なことから、「5期連続の増配を目指す」と今期も2円増配の年間配当20円を計画している。

▼業績悪化にあえいでいた企業にも、明るい陽が差し始めた。富士通も最終黒字に回復し、2期ぶりの配当の実施に漕ぎ着けた。大手IT企業の財務担当者の明るい顔を見るのは久しぶりのような気もする。企業のIT投資の復活やメーカーの設備投資意欲の拡大が良い方向に作用し始めた。明るい兆し、というよりも「本物の明るさ」が来たというのは早計でもないだろう。
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