IT業界ここがポイント

<IT業界ここがポイント>11.新3種の神器

2004/06/21 15:27

週刊BCN 2004年06月21日vol.1044掲載

2004年、デジタル家電がやってきた。“新3種の神器”の時代、到来(BCN2004年1月5日号)

 コンシューマ・ニーズの目玉として、今年初め本紙に掲載された記事だ。新3種の神器とは、デジタルカメラ、薄型テレビ、DVDレコーダである。

 デジカメは、現在400-500万画素と、より高画素化を目指している。カメラ映像機器工業会によると、内外総出荷台数は前年比約24%増の約5970万台で、うちフィルムカメラは同約30%減の約1630万台、デジカメは同約77%増の約4340万台とダントツであった。来年は6000万台を超える勢いだ。低価格機のほかプロや上位アマ向け一眼レフのような高機能機も拡大しつつある。

 薄型テレビは液晶とプラズマに代表される。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、昨年1年間の液晶テレビの出荷台数は前年比約52%増の約153万台、プラズマテレビが同約25%増の約24万台。CRT込みのテレビ総出荷台数は年間約900万台で、液晶・プラズマは20%以下だが、金額では約6500億円のうち約3400億円と、50%を超える。30インチ以上、30万円以上の大型が好調だ。DVDレコーダは、マルチメディア総合研究所によると、出荷台数が前年度比289.3%、つまり約3倍の217万台を記録した。また金額でも、1600億円と同200%であった。これは高画質・大容量のDVDがVTRに代わりつつあるほか、映像編集が容易なHDD(ハードディスクドライブ)内蔵型が10万円を切ったことなどによるためだ。2007年度予測は640万台という。

 初代3種の神器であるモノクロテレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫は、実生活に直結する商品で、戦後復興の証だった。新3種の神器は、デジタル家電で日本が世界のリーダーたりうるか否かの試金石だ。
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