北斗七星

北斗七星 2004年12月20日付 Vol.1069

2004/12/20 15:38

週刊BCN 2004年12月20日vol.1069掲載

▼「同一業種には、4社もあればいい」と言ったのは、ダイエー創業者の中内功氏。確かに、マージャンも、ゴルフも、基本的にはメンバーは4人。3人では2対1という状況が生まれ、都合が悪い。「和を以って貴しとなす」ことが好きな日本人には「4」の持つ意味は大きいが、最近はそうも言っていられないようだ。

▼数年前まで、「都銀10行」と言っていたものが、今では3グループに集約されようとしている。中内氏が身を置いた流通業では、ダイエーそのものが買収・支援の対象となり、新たなスポンサーとして手を挙げた国内の同業者は2社のみで、海外勢や投資ファンドなどが積極的という状況。

▼経済原理からすれば、ある業種において統合や淘汰が進めば、それに関連する業種においても統合・淘汰が進むのはやむを得ない面がある。取引先が減少すれば、有利な取引条件を勝ち取るために規模の論理を追求し、プレゼンスを高めなければならない。力のない者は、淘汰されるか、力のある者の傘下に入る。業種によってスピード感に差があるものの、結果的には「乱立状態」は解消されていく。ただし、選択肢が狭まるという点で、消費者の立場からは歓迎できない面もある。

▼2004年、わがIT業界でも、国内外、様々なステージにおいて統合・再編が進んだ。05年も趨勢は変わらないが、成熟産業ではない。伸び盛りで、新しい分野が生まれてくる土壌もある。消費者のため、ITの恩恵に浴する企業のために、ニューカマーの登場も期待したい。
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