旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->94.奄美と沖縄の旅-(1)奄美大島

2005/04/04 15:27

週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載

 今年(2005年)は終戦60周年に当たるので、奄美・沖縄の旅を書く。戦中派の私にとって沖縄は単に目の前の美しい珊瑚礁の海を讃美するだけの島ではなくて、胸を締めつけられる特別の想いがある。

 沖縄では多数の将兵や民間人が悲惨な最後を遂げた、あの戦争の傷跡が今もあちこちに残っている。その中に豊橋予備士官学校の同期生が4人、陸上特攻隊として逆上陸し戦死した。中でもK君は同じ寝室だっただけに、若くして死んだその面影が目にちらつき、何年経っても悲しみは消えることがない。

 沖縄は、68年以来4回訪れている。68年は米軍の軍政下でパスポートが必要だった。その後、奄美大島と沖縄本島とか、沖縄本島と石垣島、西表島などの旅をした。

 奄美大島は沖縄本島、佐渡島に次いで大きく、典型的なリアス式海岸なので入り組んだ湾が多く、トンネルだらけの島である。青く澄んだ海と珊瑚の白浜、そしてガジュマルや蘇鉄、マングローブの緑が織りなす景観が、あやまる岬を始めスケールの大きい海岸美を形成している。

 泥染めの特産品大島紬は有名だが、時代が変わって今は売れ行きが鈍いという。天然記念物のアマミクロウサギやハブ、マングースが生息している。ハブ、マングースは有害獣として役所も駆除に力を入れているが、その決闘はショー化されて観光の目玉の1つになっている。

 奄美は昔から島唄が盛んで、今も田端義夫の「島育ち」をはじめ、新曲が三味線に合わせ独特の高い声で歌い続けられている。気候温暖で魚が豊富なので、本州からの釣り客が多く、Uターンして島に戻る若者も多い。
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