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監視ツールの評価が様変わり

2006/05/01 15:27

週刊BCN 2006年05月01日vol.1136掲載

 社員がパソコンでどんな操作をして、どのデータを閲覧・編集したかが一目でわかるのがネットワーク監視ツール。情報漏えい防止の機運が高まっていることから、セキュリティソフトのなかで最も売れているジャンルといえよう。

 ネットワーク監視ツールは、セキュリティ責任者や経営陣にとっては、セキュリティを確保できるだけでなく、社員の仕事内容を把握できるため重宝がられる。その一方で、社員にとっては仕事を常に監視されているようなものであり、素直に歓迎できないという意見もあった。

 しかし、最近、監視される社員の意識が変わってきたという。メリットがないどころか、歓迎しているというのだ。あるセキュリティソフト会社社長はその理由をこう説明する。

 「5-6年前は、業務内容を覗かれているようで社員は嫌っていた。だが今は逆。情報を漏らさないか監視され、仕事の生産性が低くないかを会社に疑われている社員は、真面目に仕事をしていることを訴えたがっている」

 監視される社員にとっては、真面目さを証明してくれるツールに変わったというわけだ。

 性善説から性悪説で社員をみる文化が、会社に浸透し始めている現在、監視ツールの評価も180度変わってしまったわけだ。
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