北斗七星

北斗七星 2008年2月18日付 Vol.1223

2008/02/18 15:38

週刊BCN 2008年02月18日vol.1223掲載

▼松下電器産業の元副社長・水野博之氏の最近の著書『落ちこぼれ万歳』(明拓出版)によれば、今をときめくビル・ゲイツにしろジェリー・ヤンにしろ、けっしてエリートではなく、むしろ落ちこぼれだったそうだ。日本に強い関心を持ち、スタンフォード大学日本キャンパスで学んでいた頃のジェリー・ヤンを知る水野さんは、「私の知っているヤンは、出来がいいとは思えなかった」と記している。経営の神様といわれる松下幸之助氏にしても、小学校中退でしかも病弱だった。そんな人物が世界に冠たる企業を築きあげた。彼らは「普通の人間なのだ。天才でも秀才でもない。にもかかわらず、ひとたび思いを込めれば世界を動かすことができる」と水野さんは断言する。

▼それにしても、と思う。わが身を振り返れば、逆立ちしたって足元にも及ばないことを痛感する。そんな凡人を叱咤する言葉として、シリコンバレーの父と呼ばれたターマンが学生たちによく言った言葉がこの本に引用されている。「なに? できないって。できないということはやらないことだ」。

▼事を成し遂げるための条件として「運」「鈍」「根」、つまり幸運と愚直と根気の3つがあるといわれている。ジェリー・ヤン、ビル・ゲイツ、あるいはラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン。どちらかといえば落ちこぼれ”だった彼らが、成功の扉を開くことができたのは、自らが選んだ事業を愚直に根気強く継続したことが運を呼んだからだともいえそうだ。
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