立ち話

IPA・SEC 鶴保征城所長

2008/04/21 19:47

週刊BCN 2008年04月21日vol.1232掲載

 情報処理推進機構(IPA)ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)は、二期目の5か年中期事業計画を4月からスタートさせた。一期ではソフト開発ベンダーなどおよそ130社、延べ400人の技術者がSECに手弁当で参集。ソフトウェア工学の基盤強化に尽力した。だが、鶴保征城所長は、「まだまだ力が足りていない」と満足していない。

 過去5年を振り返ると、社会インフラを支える重要な情報システムがソフトウェア絡みのトラブルで停止に追い込まれた事例が歴然としてある。

 ソフトウェアの技術発展は目覚ましいものがあり、どうしても秀でた点に注目が集まりがち。ただ、問題の解決には、「ボトルネックに焦点を当てる地道な努力が求められる」。弱点を一つ一つ潰していくことで、より安全なシステムづくりに貢献することがSECの重要な使命だと話す。

 ソフトウェア工学では「どんな魔物も退治できる強力無比な“銀の弾丸”は存在しない」というたとえ話がある。特効薬がない以上、「1人でも多くの技術者が集い、力を合わせて弱点を克服するしか方法はない」と、SECへのより一層の参加を呼びかける。
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