オラクルやIBM、SAPなど、世界の巨人であるITベンダーがここ数年、こぞって大手BI(ビジネス・インテリジェンス)メーカーを買収したことは、記憶に新しいところです。これは「BIブーム再燃」の予兆でした。『週刊BCN』11月1日号では、国内で再度盛り上がるBI市場をレポートしています。
背景はさまざまです。一つには、単純にERP(統合基幹業務システム)だけでは目新しさがなく、売れなくなっていること。さらには、企業システムが統合に向かい、さまざまなデータも統合・蓄積していること。不況が続くなかで、先々の戦略を過去のデータで導き出す必要性が高まっていることなどが挙げられます。
以前と違って、安くてUI(ユーザーインターフェイス)が日本人好みのソフトウェアが出ています。ただ、BIを入れれば、将来予測などが簡単にできるかというと、そうではありません。それ以前に、大量のデータを処理し、戦略的なデータに仕立てるSI(システムインテグレーション)が必要です。売り手からすれば、BIそのものより、このSIに“金のニオイ”がするのでしょう。当たり前のことですが、売り手にメリットが大きければ、市場は伸びていくのです。(谷畑良胤)
【記事はこちら】
BIブームの再燃 “迅速な意思決定”のニーズが火をつけるメールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.11.8」より