4年前、先行する米国のセールスフォース・ドットコムを追う存在として、ネットスイートが国内に参入しました。そのとき、驚かされたのは、ミロク情報サービスが総代理店になるということでした。同社の社外取締役を務めていた成毛真・元マイクロソフト社長の差し金だったようですが、当時、記者は「組む相手はここか」と疑問に思いましたし、『週刊BCN』でも取り上げました。
というのも、ミロクは会計専用機大手で、会計事務所など“サムライ業”を主な顧客としていたからです。ネットスイートの製品の性格上、組むとすれば一般企業を相手にする会計ソフトウェアベンダーやERPベンダーだろうと思っていました。
このとき感じていた疑問に対する答えは、数年前、ネットスイートとミロクの提携解消というかたちに現れました。ミロク側は「SaaSの取り組みは時期尚早だった」といいますが、残念ながら、もうSaaSは表舞台に出て、クラウドコンピューティングの時代がやって来ています。
この事象を通し、技術や流行がころころ変わるなかで、時代を読むことの難しさを感じます。(谷畑良胤)
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ネットスイート 販売チャネルの基盤固めを加速 「3年でユーザーを3倍以上にする」メールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.12.10」より