北斗七星

北斗七星 2010年12月20・27日付 Vol.1363

2010/12/22 15:38

週刊BCN 2010年12月20日vol.1363掲載

▼2010年の世相を表す漢字は「暑」。日本漢字能力検定協会が公募で選んだ漢字が例年通り、京都・清水寺の貫主の手で揮毫(きごう)された。記録的な猛暑に見舞われた日本。経済も「暑」というよりも「熱」くなればと期待したが、残念ながら「冷」だったようだ。

▼「暑」が特需を生んだ業界もあった。ある飲料メーカーの開発者は「冷夏になると、新製品開発で対応する。だが、今年は定番製品で伸びた」。今夏に話題をさらったアイスキャンディの「ガリガリ君」は、ファンをがっちり掴んだ年でもあったようだ。

▼IT業界はというと、「暑」が明暗を分けたという話は聞かない。「グリーンIT」という言葉は流行らなかったが、暑さが影響してか、環境意識は高まった。「CO2を極力排出せず、コスト削減に繋がる提案は歓迎」と、物流大手のIT担当者が言う通り、環境配慮を謳うIT機器はユーザー企業に響いたようである。

▼ただでさえ技術革新や流行りの移り変わりが速いIT業界の商材。一つひとつキャッチアップしなければならないユーザー企業は大変だ。「売り手」が流行も季節感も捉え、顧客に提案するノウハウが必要になっている。(吾)
  • 1