▼子どもたちが華やいだ。大人たちに混じって子どもたちが華やいだ。なんて素敵な光景なのだろう。ものづくりが好きで好きで、たまらない人たちの集りだ。明日のものづくりの日系企業を海外でリードするのは、この華やいでいる子どもたちなのである。

▼1月13日に開催した『BCN AWARD 2011』の表彰式の開催会場での光景だ。子どもは大人の背中を見て育つ。大人である自分の背中を、鏡に映して見直さなければいけない。そんな気がした。

▼私たちはいつの時代も生活の心地良さを求める。生活の心地良さは、道具、すなわち“もの”が可能にしてくれる。“もの”が心地良い生活を実現するためには三つの技術が必要だ。つくる技術、売る技術、使う技術。あらゆる技術は人の意（おもい）から始まる。この三つのグループの人が連携し合い、その力が連鎖するとエネルギーとなってぐるぐる回り始める。するとそこには市場が出来上がってくる。30年前のパソコン産業の黎明期には、まさに三つの人たちが連鎖した。今の中国で同じ光景がみられる。この連鎖を『ものづくりの環』と名づけた。今年生まれた子どもが30歳になった時、元気な日本でありたい。（直）