「とにかく節電需要を取りに行く」。ある大手外資系ソフト会社の幹部が、最近、こう漏らしていました。企業では、今夏までに、PCはもとよりサーバーやストレージなど情報システム全体を“もっと冷やす”策が求められているからです。
2010年は「グリーンIT元年」ともいわれ、情報システムの省電力化に向けたソリューションを売り込むベンダーが多く現れました。ただ、消費電力を減らすことで電力費のコスト削減はできるものの、それ以外の目的が見当たらず、電力をどうこうする企業は少なかったように思います。
東日本大震災で福島第一原発が事故を起こし、夏のピーク時の電力供給不足に備える必要がでてきたわけですが、「どう省電力化すべきか悩んでいる」という企業は多いはずです。IT業界全体の需要低迷が予想され、商機が薄れていますが、やり方次第では、ここで稼ぐチャンスがあるように思います。(谷畑良胤)
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<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>節電と事業継続 夏の電力供給不足が需要を喚起 節電と事業継続が業績を底支えメールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.5.16」より