いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>組み込みソフトウェア

2011/07/14 15:26

週刊BCN 2011年07月11日vol.1390掲載

〈一般的な解釈は…〉携帯電話や家電製品、産業機器のシステムに内蔵されるソフトウェア。

 組み込みソフトウェアは、携帯電話やテレビ、デジタルカメラ、カーナビゲーションシステムなどを稼働させるために、それらの機器に組み込まれたソフトウェアである。携帯電話や家電製品、産業機器、自動車などは、マイクロコンピュータ(=組み込みシステム)を内蔵しており、組み込みソフトウェアはマイクロコンピュータを制御するために使われている。英語では、「Embedded software(エンベデッドソフトウェア)」という。

 組み込みソフトウェアは、さまざまな機能を提供するパソコン向けの汎用ソフトウェアとは異なり、システムに特定の機能を提供することを特徴としている。例えば、携帯電話向けの組み込みソフトウェアは、電話やメールの受送信など、携帯電話の用途を満たすための機能を提供している。組み込みソフトウェアは、機器の円滑な稼働を実現するためのものなので、応答時間が速いことが求められる。また、携帯電話やカーナビなど、小型デバイスに内蔵されることが多く、少量のメモリで動作する性能をもつ必要がある。

 組み込みソフトウェアの市場動向は、組み込みソフトウェアが使われる機器を作る製造業と緊密に関わっている。リーマン・ショックで製造業が落ち込みをみせたことに伴って、組み込みソフトウェアの市場は大きく減少した。売り上げが前年比で20~30%減った組み込みソフト開発ベンダーが多かったという。

 昨年の後半から、OSにAndroidを搭載したスマートフォンが急増し、Android関連の需要が組み込みソフトウェア産業に新たな刺激を与えている。OSSであるAndroidの組み込みソフトウェア開発には、これまでのクローズドなOSと大きく異なる技術ノウハウが必要なので、Android開発者の人材育成が課題となっている。
  • 1

関連記事

組み込みソフト開発 Androidで息吹き返す

Androidは救世主か? 組み込みソフトは落とし穴を見落とすな

組み込みソフトに明日はないのか、世界同時不況の影響が継続的打撃に