▼消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革に関する国会議員間のつばぜり合いは目に余る。野党は衆議院解散を大前提として論戦に応じる姿勢で、与党内も反対派を切り捨てるがごとく、自民党との大合併をちらつかせる。ワイドショーとしては面白い。だが、政争の具に使われているだけで、本来の政策論争はない。消費税増税も玉虫色の決着になるのは容易に想像がつく。

▼ある事務機ディーラーが、業界の市場拡大を閉ざす規制について憤っていた。プリンタの消費電力を遠隔で管理するサービスをしたいが、国の規制が邪魔をしていると。センサを使って家庭の電力調整を行う「スマートシティ」のプリンタ版だが、できそうで、できないのだ。

▼クラウドの普及でデータセンター（DC）を増やしたいITベンダー。これについても安価で迅速に設置できるコンテナ型DCが建築基準法に引っかかった。欧米などの先進各国で許されていることが、古い法律に縛られる。“○重苦”などと揶揄されるほど、日本経済の復活・発展を阻害する壁は、高くて分厚い。業界の自助努力では解決しえない事柄がいかに多いことか。変革を阻む規制緩和だけでも急げ。（吾）